繰延税金資産

繰延税金資産

繰延税金資産について簡単にお話させていただきますね。

 

近年、新聞やニュースなどで繰延税金資産という言葉を聞く機会も多いと思います。繰延税金資産とは、将来的に返ってくると思われる税金の還付を見越したうえで、資産を計算しておくことを指します。特に、最近の金融業界の不況のあおりを受け、企業が全般的に厳しい経営状態であることから、この言葉を使う機会が増加している背景にあります。

 

金融機関・銀行は、不良債権につきまして、税金をかけたうえで、貸し倒れ引当金を積み立てています。これに対して支払った税金は、融資先企業が倒産してなくなることが分かった場合に、銀行に課税所得があるという場合にその税金分は控除される・もしくは還付される、という形になります。

 

しかしながら、もしもこの時点で、銀行そのものが赤字であった場合には、還付金はありません。つまり、繰延税金資産という言葉は、「資産」とはいうものの「確定していないもの」という性質を持っているのです。

 

一例を挙げますと、2002年に大手の銀行の資産というのは、実質的は軒並み繰延税金資産だということが数多に報道などで知れたために、大問題として取り上げられるようになりました。

 

同年には「金融再生プログラム」という政策が考えられたのですが、この政策においても繰延税金資産に関しては、対策法などが入れられたこともご記憶の方も多いと思います。

往々にして、われわれが通常の生活をしている上では、繰延税金資産はほとんど関係がないかもしれません。

 

しかしながら、利用している銀行の財務諸表などを確認し、その金融機関の資産の例えば殆どが繰延税金資産であるというような場合には、これは先述のとおり不確定な資産でありますため、注意が必要ということになります。この点は金融機関を活用する際に注意深くチェックした方がいいでしょう。

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